ミュータント・タートルズ(15)に激しくツッコミます
こちらはもちろん1987年版のOPです。
Teenage Mutant Ninja Turtles/2014/ジョナサン・リーベスマン/アメリカ/101min
子供の頃好きだったアニメです。亀の癖にピザ好きなところとか(幼少期チーズが嫌いだったのでピザを食べる彼らを見て「俺は下等生物以下なのか!?」と衝撃を受けファンになった。我ながら変な子供だと思う)色変えれば別人(亀)っていう適当さとか子供心にすげーなおいと思っていました。でも
そんな思い入れのある30年くらい前のアニメがまた実写化(と言いつつ90年代のやつは未鑑賞)したので行ってきました。エンタメとしては中々良かったけど突っ込みたい所が満載だったから以下感想もとい盛大にネタバレしながら突っ込みます。もう観た方には共感して欲しいし、まだ観てない方はこれを読んで興味が出たら幸いです。だからといって観て面白くなくても責任は負いかねます。あといつも以上に無駄に長いです。
マイケル・ベイという所が多少引っかかっていましたが彼は製作で、監督は「テキサスチェーンソービギニング」のジョナサン・リーベスマンの方でした。「〜ビギニング」は結構好きな映画です。このコンビ、実は相性が良いのかもしれない。
3Dでの公開だし、元のアニメを知っている年代的に親子で観に行くことも考えて作ってあるのか、かなりエンタメ性の高い作品で、子供向けな部分も多いポップコーンムービーだと感じました。展開が早いので飽きずに観られるし、健全な楽しいハリウッド色が強い作品ということもあり、「そういう」作品のお約束である兄弟愛や家族愛が強調されていたと思います。100分という程よい長さの作品なので全体的に気になる部分やそういう臭い演出もご愛嬌かなと思えるレベル。ここ15年のアメコミブームや「トランスフォーマー」シリーズで蓄積されたノウハウ等が総動員されていて映像としても楽しいものになっていました(でもえらくアップが多いのでもう少し屋内での殺陣は引いて見たかった)。
そういうわけで内容が深いわけでもなく肩の力を抜いて観られる映画だったので、いつもの期末レポート調とは違う感じで感想を書きます。感想と言うかツッコミですね。
*****
おっさんにはおなじみの87年版 |
白目でクールな03年版 |
「タートルズ」と言えば、僕くらいの年齢(88年生まれ)の人ならばきっと聞いたことぐらいはあるアニメだろう。忍者でピザが大好物の亀が忍術マスターのネズミと一緒に下水道に住んでいるというかなりシュールな設定の作品で、割と頻繁にリブートされているコンテンツだ。そんなタートルズがまた帰って来た。
昨年の暮れ、初めてトレーラーを見たときあまりの気持ち悪さに「うわ、きも」とおもいっきり声に出してしまったが、人間の感覚とは不思議なものだ。皆それぞれにキャラが立っているのと思い出補正の成せる技なのか、CMで見慣れると意外とイける。
おっさんホイホイ映画なのかと思っていたが、どうやら03年に再アニメ化されたときの設定を継承していて(と言っても僕は1エピソードしかそちらは観たことがない)話の内容もシリアスだ。だがいい具合に新旧アニメを取り入れてあり、ある時はシリアスに格好良く、またギャグも挟み、どちらを観たことがあっても入りやすいし、説明的になりすぎずに(駆け足ではあったが)解りやすく作っていた思う。
しかしながらせっかくのシリアス路線なのに「もうちょっと詰めとけよ」と思う場面も多々あったのも事実なので、その辺について突っ込んでおきたい。
公式サイトからあらすじを拝借した。
悪の犯罪組織フット軍団が暗躍するニューヨーク。ある日、チャンネル6のレポーターとして野心的に特ダネを狙っているエイプリル(ミーガン・フォックス)は、何者かがフット軍団の犯罪を阻止している姿を目撃する。彼女の目に映ったのは、身長180センチでニンジャの技を炸裂させる4人のカメ=タートルズだった…! 彼らは地下の隠れ家で師匠のスプリンターから技を学び、ハイテンションでハイスペックなパワーを身につけていた。エイプリルは早速彼らの存在を報道しようとするが、上司のトンプソン(ウーピー・ゴールドバーグ)は全く取り合わず、クビを言い渡されてしまう。やがてタートルズの存在がフット軍団のリーダー、シュレッダーの耳に入り、フット軍団はタートルズの隠れ家を急襲。壮絶なバトルの末、レオナルド、ミケランジェロ、ドナテロの3人が敵に拉致され、スプリンター師匠もシュレッダーに倒されてしまう。フット軍団の目的は、タートルズのパワーの源を手に入れ、ニューヨークを壊滅させることだったのだ。そして明かされる、タートルズ誕生の真実。彼らはなぜ最強のパワーを身につけたのか?幼い頃のエイプリルとの間に一体何があったのか?そして、世界も彼らも気づいてないその宿命とは…??
以下突っ込みという名のネタバレ
ストーリー(設定)
- ニュースリポーターのエイプリル・オニールはあらすじの通り、何者かが犯罪組織フット団と戦う姿を目撃する。
- 地下鉄でフット団のテロに巻き込まれたエイプリルだったがその何者かに助けられ、その後をつけて正体を突き止める。
- エイプリルがタートルズの存在をスクープしたものの、上司(ウーピー・ゴールドバーグ/存在感が凄い)は取り合わず、しまいに彼女はクビに。
- エイプリルの亡き父は研究者で、彼の勤めていた製薬会社:サックス社のCEOであるサックスにタートルズのことを報告。
- サックス社はNYに細菌兵器を撒き、その解毒剤として自社製品「ミュータジェン」(昔のアニメでは「ミュータンジェン」)を独占的に販売しようという計画を企てていた。
- ミュータジェンを実験動物である亀とネズミに投与する(ちなみに87年版では下水に落ちた亀に横転したトラックに積載されていた薬品がかかってミュータントになった設定)。
- しかしエイプリルの父に気づかれてしまい、また研究所に火が着きミュータジェンはなくなってしまう。
- だがその亀たちは地下でタートルズとなり生き残っていた。
- タートルズを生け捕りにし、血を抜いて血清を作る作戦に出る。
- 何故亀に投与した。
- もっと効率よく血清作れる動物いただろ。
- 細菌兵器撒くのも解毒剤売れまくるのもわかるんだけど、もっと大量生産の方法だったりちゃんと考えてから実行に移せ。
- そう考えなくても結構アホな計画。
- 15年経ってもアホな計画。
- 麻酔銃で捕まえるぞ!と意気込んでいたものの甲羅や身体能力に阻まれ最終的にスタンガンっぽい装置で捕まえる。計画性がないぞ、この集団。
- よく考えたら特に対策を練るでもなくとりあえず出動してた。
- シュレッダーちゃんよりもサックスさんの方が何か悪そうなのなんで。A. ウィリアム・フィクナーが悪人面だから。
- でも弱い。シュレッダーちゃんの弟子のはずなのに。
- スプリンター先生にもミュータジェン投与してたんだからそっちも連れてけば良かったのでは。A. 家族愛の演出のためです。
- ラファエロとエイプリルとおっさん(エイプリルを口説いている彼女の上司/扱いがめっちゃ雑)で皆を助けに行く。
- 亀がヘロヘロになるまで採血。下手したら死ぬしミュータジェン足りなくなった時のことも考えて献血見習え。
- ミュータジェンを精製するとして、果たして亀3匹でNY市民分足りるのか?
- 毒ガス撒くまであと何秒とか言ってる割に装置から噴出している何か。
- 噴出装置倒れたけど大丈夫だったの?
- ビルとか盛大にぶっ壊れたし亀も上から落ちたのに存在がバレてないってどういうこと。
エイプリル
- ヒロインのエイプリルは旧作と同じくニュースキャスターで(黄色いつなぎじゃなくて革ジャン着用でちゃんとリスペクトしてあった)、また彼女の父は研究者だったが研究所の火災で死亡。
左から奇麗なお姉さんな87年版、転職してた03年版、ミーガン・フォックス |
- 父の働く研究機関で飼育していたネズミと亀がスプリンターとタートルズになる。
- なのでエイプリルが飼い主。
- 火災の際、彼等を逃がしたことでスプリンターに「保護者(guardian)」と呼ばれ、タートルズも敬意を表していたはずだが割とすぐその設定わすれらてないか(扱いフランクすぎやろという意味です)。
- 「保護者(直訳しちゃった上にとっても間抜け)」という設定が加わることで彼女をミューズに位置づけられそうだったのでこの辺りは惜しい部分でもある。
- そういうのがないので適当にむさ苦しくないように女子突っ込んどいた感がある。
- というか、下手こくと隣に親父の死体があるうえに火災現場にどうやって侵入した、幼い日のエイプリル。
- あと下水に動物捨てるな。
- よく考えなくても亀にピザやるな。
- その後チャンネル6に復帰できたのでしょうか?でも仕事に未練なさそうだったもんな。
亀とネズミ
- 上記のように元々はエイプリルのペット。
- 主役はラファエロ(赤)。
- ドナテロ(紫)があんまり空気じゃなかった。安心した。
- どうやら15歳らしいがティーンエイジ感0。
デカいしゴツいし怖い
あと紫だけ変な距離が… - そもそも全員無駄にキモイ。
- ラップとか流行とかのティーンっぽい部分はもっと出して良かったよね。
- よく考えると言う程ピザ食べてない。
- スプリンター先生と言えばワインレッドの着物(子供の頃バスローブだと信じて疑っていなかった)だと思っていたら中華風な黄色い何かを身にまとっていた。
左からバスローブ、タケシ(ヨシ)、03年版(左前?)、黄色い何か |
- スプリンター先生、87年版(調べたら12年版も)ではヨシハマ・タケシ(ハマト・ヨシ表記もあり)さんという武術に長ける日本人でしたが、03年版等ではハマト・ヨシさんに飼われていたネズミという設定になっています。人間になりたいってタケシ、それ妖怪人間じゃん。
- そんなわけでスプリンター先生は本を読んで武術を極めていた。野生動物の身体能力は凄まじいのでポジティブに受け止めておこう。
- フット団とシュレッダーちゃんの襲撃で重傷を負う先生。
- 針治療室に連れて行かれたスプリンター先生だったがラファエロもエイプリルも皆を助けに行ったのでおもいっきり放置される。まあ自分で行ってこいて言ったしね。
- 大分血を抜かれたのにアドレナリンを投与され復活する亀。普通に考えてそんなことしたら死んでまう。
- 雪山を滑走することになる亀たち。爬虫類はあんなんあかんやろ。いや、人間でも普通死ぬ。
- そもそもこいつら冬眠するのか?
- ただその雪山シーンの疾走感は見所でもある。3Dで観たらきっと凄く楽しかっただろう。でも確実に死ぬ。
- 無事シュレッダーを倒し帰ってきたタートルズ。スプリンター先生も生きていた!シュレッダーちゃんの詰めの甘さである。
- そういえば最初にあったタートルズ参上的な落書き(最初の方で「家門」ってコンテナや壁に書いてたね)もなんか忘れられてないか。
- そもそも「家門」って家族って意味だっけ?
フット団とシュレッダーちゃん
※さっきからずっとシュレッダーちゃんと呼んでいますが、これは昔のアニメでクランゲ皇帝という- シュレッダーちゃんっていうかシルバーサムライ?
- 子供心に「腕狙われたらどうするんだろう」と思っていたシュレッダーちゃんの甲冑は03年版から肌の露出が減って防御力が高くなっていた。今回は更に重厚感も増したよ。昔のは魚屋さんみたいだったもんね。
左から魚屋さん(改めて見ると全然防御できてない)、防御力高い03年版、最早プレデター |
- フット団の仮面がステイサム版「デスレース」っぽい(Slipknotとも言う)。
左からフット団、デスレース、ミック(Slipknot)、ガイ・フォークス |
- 謎のアジア系女子の特に重要じゃない感。特に戦わないし。
- シュレッダーちゃん日本語で話すも返事は英語。こういう少し日本が入っている映画ではよくあることだね。コミュニケーションがきちんととれているかちょっと心配になってきます。
- シュレッダーちゃんの謎の鍛錬シーン。ちょっとパシリムを思い出しますね。緊縛は日本の文化ですか、そうですか。
- シュレッダーちゃんは沖縄の基地で育ち幼い頃に父を失ったサックスさんの恩人らしい。師匠とか呼ばれてた。
- その後、シュレッダーちゃんの鍛錬部屋がサックスさん家の地下にあることが判明。お前の本拠地部下の家の地下かよ。
- サックスさん推定50代後半~なんだけどシュレッダーちゃんいくつ?
- ナイフ投げという大分西洋的な戦い方をするシュレッダーちゃん。因にナイフは帰ってくる(原理不明/磁石?)。
- シュレッダーちゃん無駄に強い。亀のティーンエイジャー感の演出だとポジティブに受け止めておく。
- ビルから落ちてあんだけのクレーター出来るってシュレッダーちゃんの鎧重すぎないか。
- どうやらシュレッダーちゃんは死んでいないようだし素顔もあんまり見せていなかったから多分続編で彼についていろいろやるんでしょう。
- もう製作決定してるらしいけど次回作に期待しても良いのだろうか?
やっぱり最後は爆発していました。これが俗に言うBayhemなのか。
突っ込み入れるの楽しいね!
結論
鑑賞中はかなりゴリ押し気味のストーリーとカッコいいアクションのおかげであまり考えずに楽しめましたが、改めてまとめたら思った以上に突っ込みどころ満載でした。突っ込み入れるの楽しいね!
鑑賞日:2015年3月4日
コメント
コメントを投稿